玉ねぎをフライパンに移すと10という音を立てて独特の香りが立ち上るこの臭いを嗅ぐといつも多くはばあちゃんのことを思い出すこうちゃんばあちゃんがそうやって僕を呼ぶ声がすると僕はいつも走って台所に向かったばあちゃんがフライパンから玉ねぎをひとつかみとって僕にくれる。
ばあちゃんのために木はいつもべっこう飴のような雨色に輝いていた飴色の玉ねぎは口に入れると本当の雨のように甘かった。
素材がいいから甘く感じるとかそういう次元ではなく本当に雨の味がするのだこの飴色の玉ねぎが大好きな僕はいつもばあちゃんにねだっていた5日ばあちゃんに飴色の玉ねぎの作り方を聞いたことがあるそれとばあちゃんは玉ねぎを薄く切って炒めて本当の雨みたいな色になったら火を止めるんだよ一瞬でも痛めすぎたり逆に痛めたらなかったりするとこうはならない。