同僚の話山奥の塔千葉へ泊まりに行った時のこと外湯の広い湯船が貸切状態だったそうだ。
湯上りの良い気分で渡り廊下を歩いていると庭から這い上がってきたものがある。
真っ黒いモコモコとした毛の塊。
子犬ほどの大きさで手足は見えないがわざわざ蠢いている履いていたスリッパを手にし恐る恐る付いてみたくたっと中身が抜けたかのように毛玉は平べったくなった。
それ以上動くこともないスリッパで毛をかき分けてみたところ中には何も入っていなかったまるで理髪店の床みたいに黒い毛だけが散乱している放っておくことにし部屋へ戻った。
その湯治場を発つ前に計3回その毛玉を目撃した全て無視したのだという。
しかい本当にこんなことが起きるのだろうか